目の前に広がる銀世界と、氷を砕いて進む船の音。その瞬間、子供の目がキラキラと輝く──そんな感動体験が、北海道にはあります。 「でも、そんな遠くて寒い場所に、子供を連れて行くなんて大変そう…」
ご安心ください!ポイントさえ押さえれば、流氷観光は子供にとって、一生忘れられない感動体験になります。
この記事では、子連れで流氷観光を楽しむための2大砕氷船「おーろら」と「ガリンコ号」の徹底比較から、服装、そして特別なアクティビティまで、家族旅行に必要な情報を完全網羅しました。
流氷って、いつどこで見られるの?
まず、基本的な情報を押さえましょう。
- 見られる時期: 1月下旬~3月上旬がシーズン。最も見られる確率が高いベストシーズンは2月です。
- 見られる場所: 北海道のオホーツク海沿岸。特に、砕氷船が出航する網走(あばしり)と紋別(もんべつ)が二大観光拠点です。
流氷ってどうしてできるの?子供にも分かる簡単解説
この不思議な氷の正体は、はるか遠くロシアのアムール川という大きな川からやってきます。川の水が海に流れ込むとき、塩分が薄まるために凍りやすくなり、それが風と海流に乗って、長い旅の末に北海道へたどり着くのです。まるで氷の大きな大陸が旅をしてくるようで、とてもロマンチックですね。
2大砕氷船「おーろら」vs「ガリンコ号」子連れにはどっち?

流氷観光の王道は、砕氷船クルーズ。網走の「おーろら」と紋別の「ガリンコ号」、それぞれの特徴を比較します。
| 船名 | おーろら | ガリンコ号 |
| 出発地 | 網走 | 紋別 |
| 特徴 | 大型で揺れが少ない。船内も広く快適 | 巨大ドリルで氷を砕く。迫力満点 |
| おすすめの家族 | 小さな子・船酔いが心配な家族 | 乗り物好き・冒険好きな子供がいる家族 |
| 料金(子供) | 小学生 約1,800円 | 小学生 約1,500円 |
| 予約 | 強く推奨 | 強く推奨 |
快適さで選ぶなら「おーろら」(網走)
大型の客船で、重量があるため揺れが少なく安定しています。船内も広く、暖かい室内からゆっくりと流氷を眺めたい、小さなお子さん連れや船酔いが心配な家族におすすめです。
- 口コミ評価: 「船が大きくて安心感があった。室内も広くて、子供が飽きずに過ごせました」

迫力で選ぶなら「ガリンコ号」(紋別)
船の先端についた巨大なアルキメディアンスクリュー(ドリル)で、ガリガリと音を立てながら氷を砕いて進む姿は、迫力満点。乗り物好きや冒険好きの子供なら、大興奮間違いなしです。
- 口コミ評価: 「ドリルで氷を砕く音がすごくて、子供が大喜び!アトラクション感覚で楽しめました」
砕氷船だけじゃない!網走・紋別の冬の楽しみ方
せっかく道東まで来たなら、周辺の施設も楽しみましょう。悪天候で船が欠航になった場合のプランBとしても最適です。
網走のおすすめスポット
- オホーツク流氷館: 天候に関わらずいつでも本物の流氷に触れる「厳寒体験室」(マイナス15度!)や、神秘的な生き物「クリオネ」の展示があり、子供が夢中になること間違いなしです。濡れタオルを凍らせる「しばれ実験」も人気。
- 博物館 網走監獄: 少し意外かもしれませんが、歴史的な建物を移築復元した野外博物館で、探検気分が味わえます。リアルな人形に少し驚くかもしれませんが、小学生以上なら楽しめるスポットです。

紋別のおすすめスポット
- オホーツク・ガリンコタワー: 紋別のランドマーク。海中展望室があり、流氷を海の中から観察するという貴重な体験ができます。
- アザラシシーパラダイス: かわいいゴマフアザラシを間近で見たり、餌やり体験ができたりする、子供に大人気の施設です。

流氷ウォークは子連れでもできる?

専用のドライスーツを着て、流氷の上を歩いたり、海に浮かんだりする特別なアクティビティ。
- 年齢・身長制限: 安全管理上、ほとんどのツアーで「小学生以上」「身長130cm以上」といった参加条件があります。残念ながら、未就学児は参加できません。
- ポイント: 小学生以上のお子さんにとっては、一生忘れられない冒険になります。必ず公式サイトで最新の参加条件を確認し、事前予約しましょう。
【モデルコース】1泊2日で楽しむ!子連れ流氷満喫プラン(網走編)
- 1日目: 昼頃に女満別空港に到着 → レンタカーで網走市内へ → 遅めの昼食 → オホーツク流氷館で遊ぶ → 網走湖畔の温泉宿に宿泊
- 2日目: 午前中に砕氷船おーろらに乗船 → 博物館 網走監獄を見学 → 昼食 → 空港へ
服装と持ち物|北海道で最も過酷な寒さに備える

砕氷船のデッキの上は、海上であるため想像を絶する寒さです。防寒対策は万全に。
- 服装: スキーウェアが基本。インナーもスキーや雪まつりに行く時と同じ、重ね着が必須です。
- 顔の防寒: ニット帽、ネックウォーマーに加え、顔全体を覆うフェイスマスク(目出し帽)があると完璧です。
- 持ち物: カイロ、温かい飲み物を入れた魔法瓶は必須。船酔いが心配な方は、酔い止め薬も忘れずに。
まとめ:寒さを超える感動が、そこにはある

流氷は、毎年必ず見られるとは限らない、奇跡のような自然現象です。 だからこそ、目の前に広がった時の感動は、言葉にできません。
砕氷船が氷を砕くダイナミックな音、静寂な海に浮かぶ氷の造形美、そして運が良ければ出会えるアザラシやオオワシの姿。 寒さを超える感動が、そこにはある。氷の海での家族の思い出は、きっと、冬が来るたびに思い出す宝物になるはずです。

